トップページ   数理データサイエンスコースに関連する分野

統計的手法を生態学を中心とする生物・環境科学分野の実データに適用したり、新たな手法の開発・評価を行っています。特に系統比較法と呼ばれる手法を中心に扱っており、進化史的な背景から生物種間に生じる”近縁度”が回帰分析に与える影響について検討しています。また、「生物学のデータ分析に求められる”客観性”はどのようなものか」「生物学者と統計学者はどのように協力していくべきか」といったメタ科学的な問題にも取り組んでいます。

(講師)大久保 祐作

近年コンピュータの発展やインターネットの普及により、あらゆる情報がデータとして取得されています。そのためデータが大規模化し、データの解釈が複雑であったり、そのままではデータを統一的に扱えないなどの問題が生じます。当研究室では、そのようなデータを多変量データとして扱い、それに適用する多変量解析・機械学習などと呼ばれる統計手法の開発に取り組んでいます。それにより、データから実務にも有用となる情報を解釈しやすい形で抽出したり、異質な振舞いをするデータを特定したりすることなどが可能になります。

(講師)高岸 茉莉子

研究室HP
https://sites.google.com/site/marikotakagis/home

医学や環境の分野で得られるデータは、時間・空間的位置情報をともなって得られることが多く、当研究室ではこうしたデータのメカニズムを解明する研究を行っています。特に、多次元空間データの位相的な構造が、階層的な2次元空間構造で表現できるエシェロン解析法を用いて、有意に集積性がみられる地域(ホットスポット)の存在の有無を、統計的根拠(データ)に基づき評価するための研究を行っています。その応用として、医学、環境分野での画像解析学、疾病率や自殺データなどを対象とした疫学、放射能汚染率などの環境学への研究の展開を図っています。

(教授)石岡 文生

研究室HP
https://fishi.ems.okayama-u.ac.jp/fishioka/

現代社会では、思い込みや感情などに左右されず、科学的根拠に基づいて冷静な議論を行うことが重要です。統計はそのような根拠を客観的に提示する最も有効な手段であり、それに関連する学問が統計科学です。私達の研究室では、主に環境・生命科学のデータを解析して関連を見つけたり分類したりするための統計モデル、さらには最適な統計モデルを選択するための方法・基準などを研究しています。例えば、推定値や選択基準などを効率良く計算するにはどうすればよいか、提案した計算手法が良い性能をもっているかなどを調べています。

(教授)坂本 亘

研究室HP
https://sites.google.com/site/sakamotoemsokayama/

熱や物質の輸送に関わる複雑な流れの解明・予測・制御には「乱流」現象の本質的な理解と予測モデルの高度化が必要不可欠です。複雑な現象を複雑なまま理解するデータ駆動科学は、乱流のような非線形現象の解明と制御ための新たなアプローチです。当研究室では、数値シミュレーション、力学系理論解析、統計力学、最適化や機械学習などのデータ科学の手法を駆使し、古典力学最後の難問と呼ばれる乱流が関わる諸問題にチャレンジします。データ駆動による計算手法を発展させ、他分野の研究者や産業と協働しながら工学的応用基盤を構築します。

(准教授)関本 敦
研究室HP
https://sites.google.com/view/sekimoto-lab

乱流のような複雑な流れの現象は理論や実験による理解が困難であり、従来は経験的な理解にとどまっていました。しかし、近年のスーパーコンピュータを用いた大規模な直接数値シミュレーションにより、恣意性のない結果による理解が可能になってきています。当研究室では、国内外の多様な分野の研究者と協働し、スーパーコンピュータを用いた計算科学と数理科学およびデータ科学の新しい手法を駆使して、天文、気象、環境や工学など様々な分野における複雑な流れの未解明な現象の理解と予測を目指した研究を実施しています。

(教授)石原 卓

研究室HP
http://www.mtds.okayama-u.ac.jp/faculty_members/ishihara/

惑星大気の構造や生物の形態などの様々な自然現象を、数理科学的な解析を通して理解するための研究を行っています。たとえば回転球面上での2次元Navier-Stokes方程式は、純粋な偏微分方程式の問題として興味深いものであると同時に、惑星大気の基礎モデルとしてしばしば用いられるという側面も持ちます。この系では時間の発展とともに大規模な東西流が自発的に形成されることが数値的に確認されていますが、そのメカニズムは明らかになっていません。当研究室では、数理モデリングをはじめとする様々な数理科学的手法を用いて、大規模構造形成メカニズムについて調べています。

(准教授)小布施 祈織

応用解析学と数理生物学への応用を研究しています。解析学とは微分積分を更に深く研究する分野で、微分方程式と呼ばれる方程式も扱います。微分方程式は、数学として重要な研究対象であると同時に、現象を記述する数理モデルにおいても重要な役割を果たします。生物現象では、生物の個体数変動の数理モデルや、ウイルスダイナミクス数理モデルなどが挙げられます。このように数学を用いて生物学の問題に取り組む分野を数理生物学と言います。

(教授)佐々木 徹

研究室HP
http://www.mtds.okayama-u.ac.jp/faculty_members/sasakitoru/index.html

現在世界は“数理資本主義の時代”を迎えており、第4次産業革命であるIoTや人工知能等の技術開発には極めて高度な数理学が必要不可欠になっています。このような技術革新の源泉として中核を担う数学理論が、ランダムな現象を扱う確率論です。本研究室では確率論を中心とした数理学について、多角的な研究をしています。特に、多くの重要な数理モデルで使われているランダム行列について、理論研究や応用可能性の探求を行っています。

(准教授)河本 陽介
研究室HP
http://www.mtds.okayama-u.ac.jp/faculty_members/kawamoto/

代数学の一分野である可換環論の研究を行っています。研究は、応用と理論の両面から行っています。応用面では、主にグレブナー基底の理論を利用して、代数計算や統計学などに現れる諸問題に取り組んでいます。様々な数式処理システムを積極的に活用しながら、体系的な具体例の供給と可換環論における古典的概念の応用的な意味の解明を目指しています。理論面では、具体例の計算を重ねながら、局所環上の加群に付随する諸概念の基礎理論構築に取り組んでいます。

(教授)早坂 太

研究室HP
http://www.mtds.okayama-u.ac.jp/faculty_members/fhayasaka/